設計のポイント

2世帯の生活スタイルに合わせた提案

優しいはちみつ色の外壁に、段違いの片流れ屋根が印象的なM様邸は、ご夫婦と子ども、ご両親の3世代住宅。それぞれに生活スタイルや好みが違うので、プラン作成も二軒分に相当するくらい、じっくり時間をかけて進めました。設計段階でも約1年間は費やしています。まず、M様の要望に基づき、プランを提案。それを見て、逆にここはこう出来ないか、それならこういうのはどうか、という意思疎通のキャッチボールを何度も重ね、見た目だけでなく、実際に生活した時の暮らし心地や空間の使い方にも十分考慮した住まいとなっています。

リビングを開放的な空間に

まず、1階は主にパブリックスペースとして、環境の良い南面にリビング、ダイニングを設置。壁で完全に空間を区切ってしまうのではなく、ニッチや欄間などでさり気ないヌケの部分を持たせることで、光や風の通りだけでなく、部屋同士にも関係性を持たせています。また、南面には開口部も大きく取り、雨の日でも楽しめるよう今風にアレンジした縁側との一体感で、内と外をゆるやかにつないでいるのもポイント。天井高にもゆとりを持たせ、家族が自然と集まりやすい、明るく開放感のある空間を演出しています。なお、キッチンはあえて対面にせず、廊下を挟んで独立した造りにすることで、LDに落ち着きを持たせています。

未来を見据えた部屋の造り

同じく1階にあるご両親の部屋は、廊下の欄間を境に自然と共用スペースとの棲み分けをしています。水回りの近くに設けてありますが、クロゼットの部分にもあらかじめ配管をしており、さらなる将来はここにトイレを増設することも可能。縁側テラスは第二の出入口としての役割もあり、玄関を通さずに縁側で来客を迎えたり、お茶を飲んだり出来るようにしています。この縁側は共用部分とつながっていますが、目隠し格子で仕切られており、気配は感じながらも、独立した空間となっています。

遊び心が見える思い出になる家づくり

一方、2階はご夫婦のプライベートスペース。基本的に食事は1階で両親と一緒ですが、朝食や簡単な食事は2階でもとれるよう、キッチンも設けています。全体的に淡い色でシンプルに仕上げた中にも、子ども室だけは遊び心を持たせて、ロフトは小窓で2室を往き来できるワクワク感のある造りに。壁は蛍光塗料で星を描いたクロスを使用しており、夜に電気を消すと、部屋に星空が浮かび上がります。シンプルな間取りでも、こういったちょっと楽しい場所を作っておくと、家が家族の思い出としてずっと残っていくでしょう。また、1階と同様、リビングはウッドデッキのバルコニーと一体感を持たせて、採光、通風だけでなく、空間の広がりを感じられるようにしています。