お客様の声

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K様邸の歴史を教えてください。

 詳しくは分かりませんが、大正初期に建てられた家と聞いているので築100年近いでしょうか。この家は祖母の実家で、母が嫁いできた時にはこの場所に既にあったそうです。祖父母と両親、そして私たち子ども5人が暮らしていた家です。

 私はこの家で産まれ育ち、お嫁に行くまで暮らしていたので、思い入れも深く、当時のことも良く覚えています。祖父母は江戸生まれ、父母は明治生まれ。とにかくモノを大事にする時代の人達だったので、今も祖母が使っていた茶箪笥などの家具は母へ、子へと受け継がれて残っています。今回は家だけでなく、これらの家具類もリフォームしてもらいました。祖母が江戸生まれだから、家具は家よりも古いと思いますよ。

 私が子どもの頃は、梅雨入り前には父が率先して雨樋の掃除をし、私たちも手伝いをした思い出があります。また、年末には家族総出で床や畳を拭き上げていました。戦前にはお手伝いさんが2、3人いて、彼女たちは天井まで丁寧に拭いていました。障子の桟や欄間、ガラス戸なども、当時のままです。よく手入れをしていたので、100年近くも住み継いでこれたんでしょうね。この間、大きな戦争も体験しましたが、空襲の被害に遭わなかったのも幸いでした。戦時中に鉄製品を供出しなくてはならず、建具の戸車レールも持っていかれましたが、代用として竹で作ったレールは今も現役で残っています。これらの建具を見ると、当時のことが昨日のことのように思い出されます。

 昭和40年頃からは、父母と姉たち家族が暮らしていました。その頃になると生活スタイルも随分と変わってきましたから、土間を新建材で覆ってフローリングの子ども部屋にしたり、梁を隠して洋風の天井を作ったり、部屋を子割にするために壁を立てたり、いろいろ現代的にリフォームはしています。

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でも、姉も生まれ育った家に思い入れがあり、こういう大正レトロな雰囲気も好きだったので、改築しながらも基礎となる梁や柱、欄間やガラス戸などはそのままにしていました。これが今回のリフォームに際して、とても良かったと思います。

 私もいろんな所に暮らしてきましたが、やはり私の生まれ育った原点はこの家なんです。

この家をリフォームしようと思ったきっかけを教えてください。

 やはり思い出のある家ですし、私がこういう温かみのある昔的な雰囲気が好きなものですから、何とか娘時代に暮らした状態に戻してみたい、という気持ちがありました。特に、土の温かみが感じられた土間や、どっしりと構えた黒光りのする美しい梁組みなど、新建材で覆ってしまった空間は出来る限り当初の姿に戻したいと思っていました。

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再生した家を見ての感想を聞かせてください。

 とても満足しています。正直、ここまできれいに再現できるとは思っていなかったので、驚いています。私がこだわった昔の土間の再生はもちろん、障子戸やガラス戸などの建具は全てそのまま生かしてもらい、本当に子どもの頃に親しんだ家に戻ったような仕上がりです。新しく入れた玄関ドアも、家の雰囲気に合った落ち着いたもので、違和感なく収まっているのはさすがですね。甥や私の娘なども、改めてこの家の良さを知ったみたいです。本当に良いものは、時代が変わっても良いものなんですね。
 家が甦っただけでなく、忘れかけていた大切な記憶も鮮やかに甦り、とても懐かしく感じています。祖父母から代々、みんながずっと大事にしてきた家だから、私も末永く大事にしていきたいと改めて思ったところです。ありがとうございました。

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