たまたま設計志望の学生さんを、
インターンシップとして受け入れていたタイミングでした。
お話を伺うと「リノベーションに興味があります」とのこと。
ちょうど当社でも、これから手がける住宅リノベーションの
社内設計コンペを予定していたところでしたので、
せっかくならその様子を見学してもらうことにしました。

今回の計画は、自社物件が対象。
せっかくの機会なので、設計スタッフ全員に声をかけて、
「戸建てリノベーション案・社内コンペ」を行うことにしました。
普段から相談し合っているメンバーではありますが、
あらためて同じ条件でプランを出し合う機会はそう多くありません。
私自身もどんな提案が集まるのか、とても楽しみにしていました。
建物は「築50年の、20坪弱の平屋」。
敷地もきれいな整形地で、
既存建物のカタチも長方形でとてもシンプル。
新築とは違い、既存の柱や筋交いを動かせませんので、
「みんな似たような間取りになるのでは?」と
誰もが予想していました。
ところが、いざ蓋を開けてみると、、、
出てきたのは、どれも個性あふれるプランばかり。
光の取り込み方を工夫したプラン、
小さくても居場所をたくさんつくるプラン、
構造を活かしながら大胆に抜けをつくるプランなど、
同じ建物とは思えないほどバリエーション豊かな提案が揃いました。
プレゼンテーションが進むにつれ、
設計スタッフ同士も
「そんな考え方があったか」「このつなぎ方はおもしろい」などと、
お互いの発想に感心しきり。
終わったあとには、
「同じ条件でも、こんなに違ってくるとは思わなかったですね」
という声があちこちから聞こえてきました。

コンペのあとには、あらためて全員で現地を再確認。

各自のプランを実際の建物に当てはめながら、
動線や視線の抜け方、外部とのつながり方などを確認していきました。
その場でも「この方向の視線が抜けているので、
あのプランの考え方が活かせそうですね」など、
自然と意見交換会のような雰囲気になり、
とても良い時間になったと感じています。
ここまで来ると、嬉しい悩みは「どれを採用するか」です。
どの案も魅力的で、どれを選んでもきっと
素敵なリノベーションになるだろうと感じました。
私自身、あらためて設計スタッフのレベルの高さと、
リノベーションの奥深さを実感した次第です。
見学していた設計志望の学生さんにとっても、
一つの正解があるわけではない設計の世界を
肌で感じていただけたのではないかと思います。
同じ条件でも、人が変わればこんなにも提案が変わる。
それは、これから設計の道を目指すうえで、
きっと良い刺激になったのではないかと思います。
今回のコンペで生まれたアイデアの数々は、
採用案だけでなく、今後のリノベーション提案にも
少しずつ活かしていきたいと考えています。
工事が完成しましたら、
どのようなカタチに生まれ変わったのか、
あらためてご紹介できればと思います。




