- 一般社団法人 日本住宅リフォーム産業協会(ジェルコ)リフォームデザインコンテスト 2015九州
- 特別賞「家が一番のパワースポットに!~二人のための心地よい空間~」
施工情報(宇城市K様邸)
構造 | 木造2階建て |
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工事床面積 | 111㎡(33.6坪) |
築年数 | 26年 |
家族構成 | 夫婦 |
設計のポイント
築25年とはいえ12~15㎝角の柱や大きな丸太を使った昔ながらの堅固な構造で民家建築の流れを受け継ぐ当時の大工さんの心意気が感じられる堂々たる建物でした。ただ2階建67坪という大きな建物ですが、南北に縦長の敷地で、やはり南にお座敷北に日常の居住部分、長くて寒い廊下で個室をつなぎ断熱も無しというお住まいで、御夫婦お二人の「スローライフ」には広すぎ、何とも「寒くて使いにくい」建物になっていました。
改修コンセプト
- キッチン、食堂、リビング等の日常の生活空間を南の庭に面した明るく暖かい環境に整備する為に「お座敷」を居間に、洋室や納戸をこれに続く食堂、キッチンに改修。
- これらの室が御主人の夢である薪ストーブを中心とした空間構成である事。
- 夏に吹く涼しい南風が南北に抜ける通風を確保する。
- 限られた予算と生活範囲から「お二人の暮らしに必要十分な」部分改修とし、この部分のサッシ、床、壁、天井裏を確実に断熱施工して快適な温熱環境を確保する。
リフォームの動機
築25年の古くて寒い水回りの改修と、子育てを卒業された御夫妻のこれからの「スローライフ」を支える、豊かで安全で快適な住まいの実現。
設計・施工の工夫
南北に長い敷地の条件と、寒くて暗い北側に日常生活の場を追いやってしまう昔ながらの「御座敷」優先の間取りから、居間・食堂・キッチン等の生活の中心を庭に面した南の明るく暖かい環境に移動し、且つ建物の断熱性能の向上や通風計画により、四季を通しての快適な室内環境を創生する。
住宅の価値を向上させた内容
既存の障子や新設の引込戸を利用して、生活のシーンや室温調節に合わせて空間を分割・開放することを可能にし、南北に長い間取りでありながら冬の寒さから守り、夏の心地よい通風も確保できる明るく快適な室内空間を実現した。
特に配慮した事項
全体平面計画の見直し、和室や浴室との間にあった段差の解消、及び天井・外壁・床・窓等の外皮性能について、限られた予算の中で可能な限り新しい省エネ基準に近づけるよう検討した。
お客様の声
リフォームをしようと思ったいきさつを教えてください。
この家は私の実家で、築26年の田舎の和風建築です。
最初は大々的なリフォームをする予定はなく、キッチンだけとか、水回りだけとかの部分的な改修を考えていましたが、最近家をリフォームした地元の友人から、どうせやるなら暮らしやすい家にリフォームした方が良いとアドバイスをもらい、そこでとても悩みました。子ども達も巣立って夫婦2人の生活です。後は歳を取っていくだけで、今を逃すときっとこの先リフォームをしようとは思わないし、やろうと思っても身体がついていけないかも知れない。そこで思い切って生活の場となる1階を全面リフォームすることにし、友人から紹介してもらった熊本市内の設計士さんに相談することにしました。
三友工務店はどうやって知りましたか?
設計士さんに相談して、図面を書いてもらったり、色々とアドバイスしてもらっていたんですが、それが何となくピンとこないんですね。地元の大工さんが手掛けた家も見ましたが、みんな同じ人なのでどれも似た感じの仕上がりで。そこでインターネットでリフォーム会社を調べてみると、三友工務店さんがヒットしたわけです。一度、話だけでも聞いてみようかということで連絡をしました。
三友工務店に決めた理由を教えてください。
1番は提案力です。他とは提案力が全然違っていました。それまでいただいた提案はあまり変化の感じられないコンパクトなリフォームで、部屋も小分けにした感じ。図面を見てもピンとこなかったうえに、断熱の話しも全くありませんでした。でも三友工務店の風間さんの提案は、まず予算内で断熱を出来るだけしっかりとやろうという考えで、廊下を続けてフローリングの大空間を作るなど、私たちが考えつかない内容が良かったです。今まで北側の隅にあった寒いキッチンも家の中心に持ってきています。夫婦2人が1階だけで十分に生活できる提案に、10年、20年も快適に暮らせると納得できました。
今回のリフォームでこだわった点を教えてください。
殆ど使うことのなかった仏間を畳からフローリングにして、ダイニング、キッチン、寝室までを廊下でつなげて一つの大空間にしました。
仏間は家の中でも一番景色が良かったので、使わないのが勿体ないと思っていましたが、フローリングで空間に一体感を持たせたことで、周りの景色がパノラマで楽しめるようになりました。普段は開け広げていますが、用途に応じて間仕切れるのも気に入っています。仏間をフローリングにすることはかなり勇気がいりましたが、畳よりも椅子の方が生活するにも楽ですし正解だったと思っています。
また、キッチンは最初の提案では対面式でしたが、私の希望でダイニングと横並びの造りにしてもらいました。これは私の今までの経験から対面の回り込む動線よりも、横にスライドできる動線の方が使いやすいと思ったからです。そして実際、とても使いやすくなりました。寝室への動線も横並びでスムーズです。以前は寝室が2階にあったのですが、お陰で生活も掃除も楽になりました。主人はリフォームの話しが出る前から希望していた薪ストーブが入れられて満足しています。薪割りという趣味が増えました。
改築後の家の住み心地はいかがですか?
引き渡しは昨年11月で真冬の寒さも経験しましたが、やはり断熱材を入れたお陰で温かかったですね。今までは冬の朝は家中でも気温5度と外と変わらない寒さでしたが、今年の冬は10度から下ったことはなく、朝に起きて寒いと感じたことはなかったです。また、断熱材は冬の寒さを防いでくれるだけと思っていたのですが、夏の外気の暑さも遮断してくれるんですね。
部屋を一続きにしたことで、風通しが本当に良く、30度近い夏日でも窓を開け広げると風が渡って、気温も24、5度と涼しく、まるでリゾート地にいるようです。以前は部屋が区切られていたので、風がこんなに入るとは思ってもみませんでした。お陰で、今までは外出するのが多かったのですが、家をリフォームしてからはもうどこにも行きたくない感じ。家が一番快適だと思います。
遊びに来た友人や親戚も、外観はそのままなのに中に入ると予想以上に大きく変わっていて、みんなびっくりします。先日、娘家族とその友人家族2組が遊びに来たんですが、大人6人に子ども7人でも全く狭苦しくなく、皆さんに快適に過ごしてもらえました。孫たちが遊びに来る回数も増えたようです。
三友工務店の対応はいかがでしたか?
風間さんの提案は、間取りはもちろん、使わなくなった欄間をスクリーンとして再利用したり、全てがとても良かったです。そして、やはり断熱は入れて良かったと心から思います。風間さんの提案がなければ、この先もずっと寒いままで過ごすことになったでしょう。三友工務店さんの常に新しい技術を取り入れようと勉強されているのが、毎月送っていただく会報誌でもわかりますし、その姿勢がすごいなぁと思って毎月読ませていただいています。
現場監督の吹春さんや大工さんも、みなさんとても親切に対応していただきました。三友さんに頼んで良かったと思っています。ありがとうございました。